ダイアゴナルのチャート例

チャート例

書籍(「エリオット波動入門」)に載っているチャート例、全部で4つです。

1976年、1978年、1979年、1980年、ダイアゴナル

1976年、1978年、1979年、1980年、ダイアゴナル

画像引用元:Dow Jones Industrial Average-1900-Present|StockCharts

1976年、NYダウ

1976年、ダイアゴナル-0-0

1976年、ダイアゴナル-0-0

画像引用元:[Article] A Track Record of WP Application to the Stock Market – Part II|SOCIONOMICS

1976年、ダイアゴナル-0-1

1976年、ダイアゴナル-0-1

全体としては5-3-5のジグザグだと思います。そのジグザグの(c)波の第3波の第ⅴ波でダイアゴナルが発生しています。

第3波そのものがダイアゴナルになることはあり得ません。ただ実際は、波の真ん中あたりでダイアゴナルっぽく見える波が発生することが意外と多いとも思っています。今回のようなパターンであれば副次波まで念入りにチェックしておきたいですし、ダイアゴナルっぽく見えるだけで、実は普通の衝撃波というパターンもあると思います。

1976年、ダイアゴナル-1

1976年、ダイアゴナル-1

画像引用元:1976年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

①2~3月、②6月、の2箇所でダイアゴナルが発生しているということです。

①は見事なシンメトリー性です。このダイアゴナルは、教科書的な楔形のラインは引けません。第2波のボトムが浮いてしまいます。実は第3波が最短になっているらしく、おまけに微妙に拡大型になっているようです。詳細は以下のページに載っています。

現時点での当研究所のダイアゴナルのルールに関する提言は次の通りだ。

1. 収縮型であっても拡大型であっても、そのアクション波の大きさに厳密な順序立てはできない。
2. ダイアゴナルの下値線と上値線は必ずしも副次波の終点を結ぶ必要はなく、全体がウェッジ型または逆ウェッジになるように引けばいいのではないか。
3. 副次波は原則としてジグザグであると考えられるがときにフラットやダブルスリーが出現することを認めるべきで。

引用元:ダイアゴナルの副次波はすべてジグザグもしくはジグザグの複合形か?|日本エリオット波動研究所

参考:拡大型ダイアゴナルの 3 波はアクション波の中で一番短くはならないというのは本当か|日本エリオット波動研究所

このような視点でダイアゴナルを見たことがなかったので気が付かなかったのですが、ダイアゴナルの副次的なアクション波の長さについては、それほど拘る必要がないのかなと思いました。

今回の場合は明らかに第1波が長いですから、その流れでは収縮型になると思います。ただ第5波で上放れが起きたために第3波が最短になったと私は解釈しておきます。

②の6月のダイアゴナルについては、当初私はフラットだと勘違いしていました。c波が綺麗な5波動だと解釈したからです。ただこの最後の5波動の波ですが、これは衝撃波として判断できないのではないかと思うのです。

最近思うのが、この見え具合のチャートであれば、副次波まで確認できるレベルのものだということです。第ⅲ波ですが、これを5波動と解してしまうのは恐らく間違いで、このような間違いは非常に怖いと思っています。

カウントはざっくりとで良い、という意見をたまに見かけるのですが、これが言えるのは、既に自分のやり方を確立している人か、詳細まで分析できるけれどもそれを削ぎ落して本質を見抜くことができる人、どちらかだと思うのですよね。

知識が不十分な状態でざっくりと見るのは不可能であり、そしてそれが一番怖いのです。ざっくりと3波動に見えても衝撃波、ざっくりと5波動に見えても修正波なんていくらでもありますよ。副次波レベルだからと気楽に考えていると、波はフラクタルのために大きな場面でも登場します。上のチャートレベルであれば、副次波まですべて見えますから。自分に言い聞かせるための意見です。

参考:プレクターの予想|基礎を学ぶ

1978年、NYダウ

1978年、ダイアゴナル-1

1978年、ダイアゴナル-1

最後の波がエンディングダイアゴナルです。普通の衝撃波に見えなくもないですが、なんとなく怪しいです。このような場合には衝撃波と決めつけることはしないで、修正波、そしてダイアゴナルの可能性を探る目を持っておきたいです。

1978年、ダイアゴナル-0-0

1978年、ダイアゴナル-0-0

画像引用元:Elliott wave principle on IqOption|Online Trading Broker Review

1978年、ダイアゴナル-0-1

1978年、ダイアゴナル-0-1

1978年、ダイアゴナル-0-0-0

1978年、ダイアゴナル-0-0-0

画像引用元:Figure 4-14|1A CAPSULE SUMMARY OF THE WAVE PRINCIPLE

1978年、ダイアゴナル-0-0-1

1978年、ダイアゴナル-0-0-1

このダイアゴナルは比率分析の例にもなっています。若干数値は違うのですが、第1波=第5波=第3波×0.618、ということです。ちなみに第1波と第4波は重複していません。

一点注意点として、ダイアゴナルの発生条件としては「第5波に先立つ波があまりにも速く、そして遠くに行きすぎたようなとき」だったはずなのですが、上のチャートでは角度も緩く、長期間だらだら下げ続けているように見えます。時間軸を上げれば急角度になるのでしょうが、やはりマルチタイムフレームは必須でしょう。

ダマシは全くといっていいほどありませんでした。

参考:プレクターの予測|比率分析の応用

1978年、ダイアゴナル-0-0-0-1

1978年、ダイアゴナル-0-0-0-1

画像引用元:1976年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

1978年、ダイアゴナル-0-0-0-2

1978年、ダイアゴナル-0-0-0-2

画像引用元:1977年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

1978年、ダイアゴナル-0-0-0-3

1978年、ダイアゴナル-0-0-0-3

画像引用元:1978年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

拡大型エンディングダイアゴナル

1980年、NYダウ

1980年、ダイアゴナル-1

1980年、ダイアゴナル-1

画像引用元:1979年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

1980年、ダイアゴナル-2

1980年、ダイアゴナル-2

画像引用元:1980年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

拡大型のダイアゴナルが、実際の相場でどの程度出現するのかはまだわからないのですが、上のチャートのパターンは覚えておきたいです。

真ん中に点で上下にヒゲ、のようなローソク足がずらずらと続いているように見えるのですが、これは3波動の波が続いていると解して良いのではないでしょうか。というか私はそのように見ています。3波動の波がずらずらと続く、これはダイアゴナルかもしれないと予測します。

このような場合には、とりあえずヒゲの先端でトレンドラインを引いてみます。そして決定的なのが、3本の等間隔のヒゲです。いよいよもって怪しいなと思えてきます。

ダイアゴナルの発生条件、「第5波に先立つ波があまりにも速く、そして遠くに行きすぎたようなとき」というには第3波が短いように見えてしまいます。代わりといってはなんですが、第1波はそれなりに強力なようです。

1980年、ダイアゴナル-0-0

1980年、ダイアゴナル-0-0

画像引用元:Trader: Dubious Patterns|World Cycles Institute

上のチャートは、書籍中に載っている時間足のものです。拡大型ダイアゴナルの例として、そして突出高の例にもなっています。

リーディングダイアゴナル

1979年、NYダウ

1979年、ダイアゴナル-0-0

1979年、ダイアゴナル-0-0

画像引用元:Elliott Wave Principle ( A Short Course ) Part 2|Traders Laboratory

書籍に載っている1時間足のチャートです。

1979年、ダイアゴナル-1

1979年、ダイアゴナル-1

書籍のラべリングに合わせると上のようになると思うのですが、この例に関してはよくわかりません。

まとめ

ダイアゴナルのイメージ図

ダイアゴナルのイメージ図

上図は、ダイアゴナルはこのような見方をすればよいのではないかと、私が勝手に思っていることを描いたものです。勿論正しくないとは思うのですが、あくまでも私なりの見分け方としてご了承ください。

ポイントは幾つかあります。

  1. 「第1波+第2波」と「第3波+第4波」の波の形状が似ている(楔形であれば縮小版のように見える)。
  2. 「第1波と第3波と第5波」、「第2波と第4波」の波の形状が似ている(ダイアゴナルにはオルターネーションの法則の適用がないから)。
  3. 等間隔で似たようなヒゲが出現する(時間軸により、1本1本1本、2本2本2本になったりする)。

以上のことは少し前から感じていたことで、まだ模索中です。ただこのような視点でライブでチャートを見ていると、ダイアゴナルに見えてしまう波って意外とたくさんあります。ところが実際は、ダイアゴナルではなかったことも多いです。

なんだ全然使えないではないか、ということになってしまうのですが、かなり判定を甘くしているせいもあります。稀に上の3条件が揃うときがあり、そのようなときは見た瞬間にダイアゴナルだとわかるくらいに綺麗です。

ただほとんどが微妙に思える波で、だからこそ失敗が多くなってしまうのですが、判定はかなり厳しめにしてしばらく試行錯誤してみるつもりです。なんとなくダイアゴナルっぽく見える、では通用しないのだと思います。

チャネルライン、トレンドラインについてですが、最近は専らローソク足の実体部分で引くようになりました。ヒゲの先端ではなくヒゲの根本です。しかも大きい時間軸でそのような引き方をすると、小さい時間軸では串刺し状になります。ヒゲの根本どころか、実体部分を思いっきり突き抜けます。

しかし、それが一番波動に合ってると感じるのですよね。理由はまだよくわからないのですが、大きいトレンドを優先させているからだろうとは思っています。ただこのやり方だと、抜けたからといって即飛びつくのはご法度です。その後ヒゲを付けて戻ってきたりしますから。あくまでも波動の全体像を掴むための引き方です。

ただしダイアゴナルに関しては、ヒゲに特徴があるチャートパターンだと思っているので、ヒゲの先端のほうがわかりやすい場合もあるのかなとも思っています。トライアングル修正波も同じ理屈でそうなるかもしれません。

まだまだすべて模索中ですので、ここで書いたことは信用しないでください。私自身の考えも変わるかもしれません。

コメント

  1. ハナ より:

    エリオット波動を勉強していて少し前にここに辿り着きました。とても読み易く丁寧で、わからないことはわからないと仰ってるところも他の人とは違って勝手に一番信頼出来るサイトと思っています。
    私もまだググりながら試行錯誤しながらですがエリオットを少しでも理解出来るようになりたいのでこれからも更新楽しみにしています。

    • エイチ より:

      ハナさん、ご訪問そしてコメントを有難うございます。

      ただ私には実績が全くありませんので、ここで書いていることは決して信用しないでください。間違った解釈も多々あると思いますので。

      このブログは勝手ながら、自分のためにやっています。ブログのほうが綺麗で見やすく効率的、修正しやすい、また公にすることで多少のプレッシャーも感じることができ、ノートなどに書き留めるよりは利点が大きいと思っているからです。勿論私の目的はお金を稼ぐことなのですが、書籍やブログを読んだところで稼げるようになるわけでもないはずで、受け手次第だという思いがあります。ですので私の我儘は許してくださいって感じなのです。

      私も色々とブログを見たりするのですが、FXで生き残っている人たちって、多かれ少なかれ波動原理をそれなりに理解している人たちのような気がしています。私のこのブログのように、ちまちまと些細なことを書いている人は極僅かで、波動原理を使ってお金を稼いでいる人たちは世界に沢山いるのではないだろうか、波動原理ならそういうことをなんとなくイメージできるのです。私もそのような思いが強いからこそ勉強しているわけで、ハナさん、お互いに頑張っていきましょう!有難うございました!