目盛り(普通目盛り、半対数目盛り)

目盛りによるズレ

今読んでいる「エリオット波動入門」では、「目盛り」に関して度々言及されているのですが、その目盛りに関してのガイドラインです。

「インフレが進行しているときには、半対数目盛り(Scale)でチャネリングを表記すべきだ」

これはエリオットが述べていたそうですが、著者は否定しています。エリオットの目に普通目盛りと半対数目盛りのチャートが大きく異なって見えたのは、波の段階が異なっていたことがその原因の一つではないかということです。

一般には波の段階が大きくなればなるほど、半対数目盛のチャートのほうが見やすくなる。

以前学習した項目「短期チャートと長期チャート」でも、同じようなことが書かれていました。

参考:目盛|短期チャートと長期チャート

  1. 衝撃波⇒短期チャート⇒普通目盛(ポイント)
  2. 修正波⇒長期チャート⇒半対数目盛(パーセント)

間違っているかもしれませんが、私は上のようにまとめました。大きくなればなるほど、半対数目盛り(=パーセント表示)のほうが見やすくなる、小さい場合には、パーセントもポイントも大差ないのだから、半対数目盛にする必要はない、そのような感じです。しかしこの考え方は危険であるということに、以下で気づきました。

適正な目盛でプロットされたときに限り、同じ段階の波がエリオットの正しいトレンドチャンネルを形成する。

チャート例

1920年代の普通目盛

1920年代の普通目盛

画像引用元:NYダウの過去のチャート(1920年代ごろ)25日足|あさりのブログ

上は1920年代のNYダウの普通目盛のチャートです。TL(トレンドライン)を引いたところで、テクニカル分析に役立つとは思えませんが・・・。

1920年代の半対数目盛

1920年代の半対数目盛

画像引用元:Elliott Wave Principle ( Part VI )|Traders Laboratory

上は同じ年代の半対数目盛のチャートです。縦軸を見ると、大きい価格になるほど数値が圧縮されていますが、これが半対数目盛というものですね。2本の平行なチャネルラインを綺麗に引くことができ、第⑤波の上下のラインへの張り付き方から、この目盛が機能しているように見えます。

月足レベルでも、半対数目盛のほうが良いのかってことになりますが・・・。

1930年代の半対数目盛

1930年代の半対数目盛

画像引用元:What is the 200 dma?|200 DMA

上は1930年代のNYダウの半対数目盛のチャートです。役に立つようなTL(トレンドライン)は引けません。

1930年代の普通目盛

1930年代の普通目盛

画像引用元:Elliott Wave Principle ( Part VI )|Traders Laboratory

今度は逆に、普通目盛のほうが綺麗なチャネルラインが引けます。

半対数目盛りが必要となるとき

  • せいぜい加速のプロセスにある波を表記するときだけである。
  • 普通目盛と半対数目盛のどちらに適した波のこう配を調整することによって、いずれも同じ基点から申し分のない仮定上のエリオット波動のチャネルを描くことができるだろう。

突発的に値がほとんど一直線に動くことがありますが、そういうときには半対数目盛りのほうが見やすくなるということでしょう。上2つのチャートを見ても、時間軸の大きさは関係ないように思えます。

ベストな目盛りの使い方

ベストな目盛りの使い方

気にすべきことは、「波のこう配」なのです。急角度であれば半対数目盛、緩やかであれば普通目盛、これが結論だと思います。

ただ、波の角度の問題だとすれば、衝撃波と言わず修正波などどのような状況下でも気にすべきなのかなとも思うのですが、そこはまだわかりません。元々の目的は、2本の平行なチャネルラインを探し出すことですから、衝撃波限定と言えなくもありません。

株価が2本の平行なライン内にきちんと収まらないとき

  • 正しい観点でチャネルが観察できるように、他の目盛りに変えてみよう。
  • しかし相場のあらゆる動きを捉えるには、常に「普通目盛り」と「半対数目盛り」の2つのチャートを併用しなければならない。

この前「チャネリング」という項目を学習しましたが、今回のガイドラインを読んで、チャネリングで重要なことは「平行」ということだと思いました。2本のラインが平行でないと意味がないとまでは言いませんが、その有用性を一番発揮できるのが平行なラインなのだと思います。

逆に、2本が平行にならない場合には、その気持ちの悪い状況のまま分析を進めるのではなく、機能している他の目盛があるのではないかという、疑いの目で見ておく必要があるのではないでしょうか。

あとがき

「目盛り」に関しては、「半対数目盛」を使えと言われても、実際のところそれをどうMT5に落とし込むのかがわからないために、実践的な知識ではないと思っていました。しかし改めて今回のガイドラインを読むと、非常に重要だということがわかりました。実際に使えるかどうかは別にして、波の見方といいましょうか。

ぱっと思いつくのがMA(移動平均線)ですが、「設定を変えてみる」という発想です。

以前読んでいたブログで、どのMAを使うか、その時々で変えると言っていた記憶があります。ライブでチャートを見る場合、今現在はどのMAが機能しているのか、というようなことです。

私はデモトレードをたまにやっているのですが(トレードというよりは、波のカウントの練習のつもりです)、MAにしてもTLにしても、相場が進行すれば自然とずれていく、または時間軸によってもラインがずれる、ということはなんとなくですが感じていました。

私は気にしいなので、MAにしてもTLにしてもズレが気になってしまうタイプなのですが、この書籍中のチャート例に載っているラインなどは結構ずれておりますし、また、FX関連のネット上でのチャートなどもよくずれています。

理屈的には、水平線であればずれはないと思うのですが、それ以外の、MA、TL、インジケーターなどは、時間軸や設定によっては、むしろずれて当たり前くらいに考えたいたほうが良さそうな気がします。

そしてズレが生じているときには、そのまま分析を続けるのではなく、その時々で機能しているものを探すべきでしょう。機能しているものを見つけることができれば、その時点で他の人よりもリードできると思います。

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