トランケーションのチャート例

まえがき

書籍(「エリオット波動入門」)に載っているチャート例です。

チャート例

1962年、NYダウ

1962年、トランケーション-1

1962年、トランケーション-1

画像引用元:Dow Jones Industrial Average-1900-Present|StockCharts

おさらいとして。トランケーションのチェックポイントは、「予想される第5波に5つの必要な副次波が含まれる」と「とりわけ強力な第3波」です。ということは、衝撃波限定です。ということは、通常の衝撃波、ジグザグのA波、C波、フラットのC波での発生になります。

第3波らしき波が大きく動いた場合が勿論そうなのですが、その動いた結果、フィボナッチの目標値に到達してしまったのかどうかを気にしておきたいです。

1962年、トランケーション-0-0

1962年、トランケーション-0-0

画像引用元:Truncation|MQL5

5波動のひとつの衝撃波が走り終えたらしく見える場面で、3波動の上昇波が出現しました。修正波の局面に入ったと考えるべきでしょう。

1962年、トランケーション-0-1

1962年、トランケーション-0-1

形状的には拡大型フラットに見えるのですが、3波目で結構下げてしまっているように見えます。c波はa波の1.783、全体的なリトレイスも0.593まで戻しています。ただこのまま終わってしまったら、c波は3波動になってしまい、フラットとしては成り立ちません。

1962年、トランケーション-0-0-0

1962年、トランケーション-0-0-0

画像引用元:1961年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

1962年、トランケーション-0-0-1

1962年、トランケーション-0-0-1

画像引用元:1962年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

全体として、拡大型フラットのC波の5波動と解釈します。とにかく大きな下げが目立ちますから、この時点で目標値まで到達してしまっているかもしれない、と考えておくべきでしょう。

一点ほど、書籍ではキューバ危機のときに第3波でクラッシュが起きたというふうに書かれており、てっきり第3波での大きな下げのことだと思っていたのですが、キューバ危機は10月なんですよね。時期的にはむしろ第5波のトランケーションのところなのです。株価というのは先行しますから、噂の段階で第3波で調整されていたのかどうか。

キューバ危機というととてつもなく大きなファンダメンタルとイメージしていたのですが、上のチャートを見る限りでは、この程度の大きな下げは、時間軸によっては普通に起こっているように思います。ですのでトランケーションのパターンとして頭に焼き付けておきたいです。

1976年、NYダウ

1976年、トランケーション-1

1976年、トランケーション-1

画像引用元:Dow Jones Industrial Average-1900-Present|StockCharts

修正波全体の形状としては、フラット-x波-トライアングルのダブルスリーと解釈しているようです。その後半のトライアングルのb波でトランケーションが発生しています。$1000の壁に対する4回目の挑戦の場面です。

1976年、トランケーション-0-0

1976年、トランケーション-0-0

画像引用元:[Article] A Track Record of WP Application to the Stock Market – Part II|SOCIONOMICS

後付けになりますが、トランケーションとなった第5波だけ、この大雑把なチャートでも5波動に見えます。これと似た形状の波は前後にはありません。このような波を「スラスト」かもしれないという引き出しを持っておきたいです。

1976年、トランケーション-0-1

1976年、トランケーション-0-1

衝撃波というと縦長というイメージを持っていたのですが、横長の衝撃波も多いと思っています。横長だとまずは修正波という目で見てしまうのですが、ラインを引くと不思議と衝撃波と判断できてしまったりします。

このトランケーションは、第3波で大きく動いて目標値に到達してしまったというよりも、$1000という壁によるもののように見えます。元々の目標値が$1000だったのかもしれませんが。キリ番による抵抗線などには注意しておきたいです。

1976年、トランケーション-0-0-1

1976年、トランケーション-0-0-1

画像引用元:1976年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

右端の5波動の波がトランケーションということです。ここに至るまではぐにゃぐにゃした3波動の波が続いていましたが、この5波動の波だけは割とはっきりした衝撃波に見えます。これは恐らく、トライアングルの後の「スラスト」と思われます。

1976年、トランケーション-0-0-2

1976年、トランケーション-0-0-2

画像引用元:1977年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

大豆先物

大豆先物、トランケーション-0

大豆先物、トランケーション-0

画像引用元:何時も繰り返される悲観論・バブルは発明の母|歴史と経済と医療の未来予測・歴史経済波動学

これはトランケーションとしてのチャート例ではないのですが、トランケーションになっています。結局仕組みは同じなのですよね。「とりわけ強力な第3波」と「第5波が5波動」です。

大豆先物、トランケーション-1

大豆先物、トランケーション-1

確証はないですが、トランケーションは、チャネルの上側ラインに張り付くような動きになることもあるように思います。

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