出来高⇒波の「延長」の予測ツール
今読んでいる「エリオット波動入門」で度々言及されている「出来高(Volume)」ですが、今までは軽く読み流していました。ところが今回のガイドラインを見て、少々驚きました。エリオットは、「延長」の予測ツールとしてこの出来高を使っていたのです。
MT5では下のほうにVolumeを表示することができますが、波の「延長」とセットで見るということですね。逆に、延長する可能性が低い場面では、Volumeはそれほど気にしなくても良いということになります。
- 強気相場では、株価の変化のスピードに応じて、出来高は自然に増減する傾向がある。
- 修正局面の後半に出来高が減少するとき、それは売り圧力が弱まったことを示唆することが多い。
- 「出来高が最低になる時点」と「相場の転換点」は、よく一致する。
参考:9つの波の段階
- グランドスーパーサイクル:○Ⅰ、○a
- スーパーサイクル:(Ⅰ)、(a)
- サイクル:Ⅰ、a
- プライマリー:①、○A
- インターミィーディエット:(1)、(A)
- マイナー:1、A
- ミニュット:○ⅰ、○a
- ミニュエット:(ⅰ)、(a)
- サブミニュエット:ⅰ、a【最小単位:時間足】
プライマリー段階以下
- 通常の第5波では、出来高は第3波のときよりも減少する傾向がある。
- 上昇する第5波の出来高が第3波と同じ、または第3波よりも増加したときは、第5波が延長することになる。
- 第1波と第3波がほぼ同じ長さになったときも、ときにこうした結果になると予想される(第3波と第5波の両方が延長するというケースは、あまり見られない)。
波動原理の基本路線は第3波が延長でしょうから、「出来高が増加=延長の可能性あり」と考えれば、第5波は第3波よりは出来高が減少するのは当然だと思います。第5波の段階になっても、出来高が減少しないようであれば、延長する可能性あり、と覚えておきます。
プライマリー段階以上
- 上昇する第5波で、出来高が増加する傾向になるが、それは単に強気相場に対する参加者が長期にわたって自然と増えてきた結果である。
- 強気相場の終点では、出来高が最も多くなる傾向になると、エリオットも述べている。
プライマリー段階以下のときとは、逆の結果になるようです。長期の場合には、テクニカル的な増加ではなくて、一般の参加者が増えるということでしょうか。
プライマリー以下の場合には、「出来高=延長」に直結するようですが、プライマリー以上の場合には、延長とは関係ないということになるのかもしれません。ダウ理論でも、第5波というのは加熱し過ぎの状態と言っていたと思いますが、そのような感覚なのでしょう。
出来高急増のパターン
- 平行なチャネルの上側ライン
- ダイアゴナルトライアングルの抵抗線の上放れ地点
これに関しては、その後上放れるとは書いていないのですが、出来高が急増した結果、上放れるということの説明だと思います。前に学習した、「上放れ、下放れ」のページで書いたのですが、同じことだと思います。
ダイアゴナルトライアングルの第5波が、より大きな段階の値動きを含むチャネルの上側ラインのところで終了するときは、その地点はよく一致する。
まだよく理解できないのですが、副次波としてのダイアゴナルの最終局面では、より大きな段階の第5波のチャネルの上側ラインに一致するということでしょうか。ダイアゴナルに関しては、時間軸を変えてチェックするのは必須のようです。
まとめ
出来高が波の「カウント」や「延長」の予想の手掛かりとなるとき、出来高はとりわけ重要である。エリオットは、出来高は波動原理のパターンとは独立した存在であると述べたことがあったらしいのですが、連動しているということですね。
コメント