衝撃波のオルターネーションの検証

まえがき

後付けで、理屈の構築のために検証してみました。前提として、カウントが正しいものに対してやらないと意味がないと思うので、すべて書籍(「エリオット波動入門」)に載っているチャート例を使用しています。

オルターネーションについてはいくつかの例を見て、だいたいこんなものかな、という分析では私には無理でした。ざっくりとジグザグでしょう、横ばい型でしょう、という分析では通用しないというか。

逆に、それこそローソク足一本一本を考えながら目で追っていくと、意外とオルターネーションは機能しているものだと感じる場面もあって、その点は驚きです。まずは、前の衝撃波のオーソドックスな終点に、近づく動きがあるのかないのか、そこを気にしています。

そして忘れないように書いておきますが、「急こう配」⇔「横ばい」と同時に、「単純」⇔「複雑」という視点でも見なければいけません。

衝撃波のオルターネーション

チャート例1

1962年のオルターネーション-0

1962年のオルターネーション-0

画像引用元:Truncation|MQL5

まず最初に、オーソドックスな終点に近づく動きがあるかどうかのチェックです。また、トライアングルのラインが引けそうかどうかもチェックします。

1962年のオルターネーション

1962年のオルターネーション

画像引用元:Truncation|MQL5

1962年のオルターネーション2

1962年のオルターネーション2

画像引用元:1962年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

一番重視しないといけないチャートパターンは「トライアングル」だと思っているのですが、大きい時間軸のほうが見やすくなることもあると思います。

チャート例2

1975年のオルターネーション-0

1975年のオルターネーション-0

1975年のオルターネーション1

1975年のオルターネーション1

画像引用元:Elliott Wave Principle ( A Short Course ) Part 2|Traders Laboratory

3つの第2波、第4波があります。少なくとも戻る動きに関しては、交互になっているように見えます。むしろ戻る動きを最優先してカウントしているように見えます。そうなるとジグザグやらフラットやらの修正波の種類までは、今の私では認識できないのですが。

左の第4波は、ざっくりとフラットのように見えてしまうのですが、これをジグザグとすることで、前後の衝撃波が5波動でカウントできることになります。それもまずは、第2波で戻る動きがあるからだと思います。ではこの第2波はフラットなのかというと形的には微妙に見えてしまいます。でも総合的に見ると、これがベストのカウンティングになるのでしょう。結局は確率の問題で、オルターネーションもひとつの要因という位置づけになりますね。

なんとなくのカウンティングの手順ですが・・・

  1. まっさらな状態から、まずはざっくりと5波動や3波動のカウントをする。
  2. 衝撃波についてはチャネルライン(ダイアゴナルは上下のライン)、修正波についてはトライアングルのラインを引く。
  3. オルターネーションを適用させるようにする。⇒それによってカウントに修正を加える。

しばらくこのようにしたいと思います。

1975年のオルターネーション2

1975年のオルターネーション2

画像引用元:1975年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

日足です。

チャート例3

1920年代のオルターネーション-0

1920年代のオルターネーション-0

画像引用元:Elliott Wave Principle ( Part VI )|Traders Laboratory

なんとなく5波動の波が認識でき、チャネルラインを引いて、オルターネーションのチェックです。戻るような動きがあるかないかで、第4波がレギュラーフラットと考えるのが妥当な気がします。トライアングルかもしれませんが、どちらにしろ横ばい型です。だとすると第2波は勾配型がベストですが、以下のようにカウンティングすることになります。

1920年代のオルターネーション1

1920年代のオルターネーション1

画像引用元:Elliott Wave Principle ( Part VI )|Traders Laboratory

2-4のチャネルラインの基点はずれてしまうのですが、ガイドラインは絶対ではありません。チャネルラインとオルターネーション、どちらを優先させるかの判断になるでしょうか。

1920年代のオルターネーション2

1920年代のオルターネーション2

1920年代のオルターネーション3

1920年代のオルターネーション3

画像引用元:NYダウの過去のチャート(1920年代ごろ)25日足|あさりのブログ

同じ例の、普通目盛のチャートです。第4波はトライアングルとするほうが妥当でしょうか。ランニングフラットは稀なパターンですし、これをランニングフラットとするのは少し不安です。

第2波も、チャネルラインが機能しているからといって、その基点を第2波の終点としてしまうのは怖いです。これもレギュラーフラットとしては形が許容範囲を超えると思います。チャネルラインは今回はあきらめて、ジグザグと判断するほうが妥当でしょうか。

チャート例4

1930年代のオルターネーション-0

1930年代のオルターネーション-0

1930年代のオルターネーション1

1930年代のオルターネーション1

画像引用元:Elliott Wave Principle ( Part VI )|Traders Laboratory

後付けで言わせていただきますと、絵に描いたようにわかりやすい典型的な第5波延長の衝撃波だと思います。このパターンは目に焼き付けておきたいです。

チャネルラインも教科書どおりで、オルターネーションについても、第2波のジグザグ、第4波のレギュラーフラット、この時間軸のチャートでも、それぞれ3波動、5波動まで読み取れそうです。

チャート例5

1978年(時間足)のオルターネーション-0

1978年(時間足)のオルターネーション-0

1978年(時間足)のオルターネーション1

1978年(時間足)のオルターネーション1

画像引用元:Wave Personality|Traders Laboratory

左から2番目の第ⅱ波と第ⅳ波は、少なくとも戻る動きが両方とも見えないのですが、トライアングルの可能性はありそうです。それ以外の第2波と第4波のオルターネーションは機能しているように見えます。

1978年(時間足)のオルターネーション2

1978年(時間足)のオルターネーション2

1978年(時間足)のオルターネーション3

1978年(時間足)のオルターネーション3

画像引用元:1978年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

この時間軸のレベルだと、副次波の分析をするのは難しいです。せめてトライアングルの上下のラインが引けるくらいまでは、時間軸を下げておきたいです。確認できないときは、あくまでも両方の可能性を残し、勝手な思い込みだけはしないよう気を付けておきたいです。

チャート例6

1975-1977年のオルターネーション、イメージ図

1975-1977年のオルターネーション、イメージ図

以下の例は2つの候補があります。

1975-1977年のオルターネーション-0

1975-1977年のオルターネーション-0

1975-1977年のオルターネーション1

1975-1977年のオルターネーション1

画像引用元:[Article] A Track Record of WP Application to the Stock Market – Part II|SOCIONOMICS

1975-1977年のオルターネーション2

1975-1977年のオルターネーション2

画像引用元:1975年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

第2波がジグザグ、第4波も勾配型に見えてしまうのですが、トライアングルなのかもしれません。今の私では厳しい判断です。

1975-1977年のオルターネーション3

1975-1977年のオルターネーション3

画像引用元:1976年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

ひとつ前のチャートからの続きですが、第2波がジグザグっぽかったので、第4波はレギュラーフラットと解するのが妥当でしょうか。これなら許せそうです。

そして第(2)波はわらかないのですが(ダブルジグザグ?)、戻るような動きはないと判断したら、第(4)波が拡大型トライアングルで横ばい型というのはOKです。

1975-1977年のオルターネーション4-0

1975-1977年のオルターネーション4-0

画像引用元:[Article] A Track Record of WP Application to the Stock Market – Part II|SOCIONOMICS

1975-1977年のオルターネーション4

1975-1977年のオルターネーション4

画像引用元:1977年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

第2波はトライアングル? いずれにしても戻るような動きはあります。そうすると第4波は勾配型がベストですが、第3波のカウンティングを間違ったかもしれません。右の谷にずらして、トランケーションと解釈すべきだったのかもしれません。

1975-1977年のオルターネーション5

1975-1977年のオルターネーション5

画像引用元:[Article] A Track Record of WP Application to the Stock Market – Part II|SOCIONOMICS

1975-1977年のオルターネーション6

1975-1977年のオルターネーション6

画像引用元:1975年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

1975-1977年のオルターネーション7

1975-1977年のオルターネーション7

画像引用元:1976年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

もう一方の候補です。第2波と第4波を比べるわけですが、あまりにも規模が違うため不自然さを感じるのですが、しかしこちらのカウンティングが結果的には正しかったことになるはずです。この分析は私には無理です。このような例を見ると、自信を無くすばかりです。

チャート例7

チャネルラインとオルターネーション-0

チャネルラインとオルターネーション-0

チャネルラインとオルターネーション1

チャネルラインとオルターネーション1

画像引用元:Elliott wave principle on IqOption|Online Trading Broker Review

第2波が横ばい型(レギュラーフラット)、第4波がジグザグ(勾配型)です。オルターネーションとしては、形が綺麗すぎます。それこそリアルでこのようなパターンを見つけることができれば大喜びです。ちなみに第2波が横ばい型の場合には、第4波はレギュラートライアングルも認められるんですよね。

チャート例8

1962年とSP500のオルターネーション-0

1962年とSP500のオルターネーション-0

1962年とSP500のオルターネーション1

1962年とSP500のオルターネーション1

画像引用元:Elliott wave principle on IqOption|Online Trading Broker Review

左は第2波も第4波もジグザグに見えます。こうもあからさまにオルターネーションが機能していないというのは、初めてのような気がします。逆に右は、第4波ではしっかりと戻しの動きがあります。オルターネーションの法則はガイドラインですから、絶対ではありません。

1962年とSP500のオルターネーション2

1962年とSP500のオルターネーション2

画像引用元:1962年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

第2波と第4波、両方ともジグザグの場合もあるということですね。

1962年とSP500のオルターネーション3

1962年とSP500のオルターネーション3

画像引用元:S&P 500 Large Cap Index-1925-Present|StockCharts

オルターネーションに限ったことではないのでしょうが、大きい時間軸から小さい時間軸へ降りていくのが大切で、逆はまずいでしょうね。

チャート例9

1789-1977年のオルターネーション-0

1789-1977年のオルターネーション-0

1789-1977年のオルターネーション1

1789-1977年のオルターネーション1

画像引用元:Elliott wave principle on IqOption|Online Trading Broker Review

最初の衝撃波の第2波はレギュラーフラットでしょうか。第2波が横ばい型の場合、第4波はレギュラートライアングルでもOKなのですよね。これはインフレ調整済みのチャートなので、あまり参考にはならないのかもしれません。

1789-1981年のオルターネーション

1789-1981年のオルターネーション

画像引用元:Chart 8 |AIR COMMAND AND STAFF COLLEGE AIR UNIVERSITY

同じ場面ですが、違うページに載っているものです。第(Ⅳ)波のカウンティングが気持ち悪いと思っていたのですが、今回のほうがしっくりきます。

チャート例10

1920-1977年のオルターネーション1

1920-1977年のオルターネーション1

画像引用元:Elliott Wave Principle ( Part V )|Traders Laboratory

1920-1977年のオルターネーション2

1920-1977年のオルターネーション2

画像引用元:Dow Jones Industrial Average-1900-Present|StockCharts

すべてオルターネーションが綺麗に決まっているように見えます。エリオット、著者に言わせれば、パーフェクトなのだと思います。

そしてオルターネーションの項目では書かれていなかったのですが、書籍の最後のほうに、ここでのオルターネーションとして、「単純」と「複雑」という文言で書かれています。これはちょっと盲点だったのですが、それも加味して見ていかないといけません。

チャート例11

コーヒー先物のオルターネーション

コーヒー先物のオルターネーション

画像引用元:何時も繰り返される悲観論・バブルは発明の母|歴史と経済と医療の未来予測・歴史経済波動学

第④波を除くとすべて急こう配型に見えてしまうのですが、ではオルターネーションは機能していないのかという判断は、この時間軸のチャートでは今の私にはできません。それこそカウントする位置がローソク足1本ずれたら、その前後の衝撃波も含めて解釈が変わってしまうと思うので。

チャート例12

大豆先物のオルターネーション-0

大豆先物のオルターネーション-0

大豆先物のオルターネーション1

大豆先物のオルターネーション1

画像引用元:何時も繰り返される悲観論・バブルは発明の母|歴史と経済と医療の未来予測・歴史経済波動学

1974年の第4波はジグザグかなと思ったのですが、第2波がジグザグっぽいのでトライアングルなのかもしれません。他は機能しているように見えます。

チャート例13

金先物のオルターネーション

金先物のオルターネーション

画像引用元:Elliott wave principle on IqOption|Online Trading Broker Review

少しおおざっぱというか。オルターネーションが綺麗に機能している例だけを取り上げてしまうと、先入観を持って相場を見てしまいそうになるので、それはまずいかなと思います。そもそもオルターネーションの法則はガイドラインであり、絶対ではないということは忘れないようにしないといけません。

チャート例14

ロンドン金相場のオルターネーション

ロンドン金相場のオルターネーション

画像引用元:再考★衝撃波の第3波は、必ずチャンネルをブレイクするのか?|エリオット波動とフィボナッチ比率で相場を綱渡り

機能しているようには見えるのですが、細かいところまでは読めません。ただチャネルラインが大きな手助けになると思いました。

チャート例15

Tボンドのオルターネーション

Tボンドのオルターネーション

画像引用元:Elliott wave principle on IqOption|Online Trading Broker Review

このレベルの時間軸のチャートだと、やはり細かい分析は難しいです。そしてやはり、チャネルライン強しです。

まとめ

とりあえず15個の例を見てみました。オルターネーションについて、たとえば何%の確率で機能しています、など統計を取ってみたりもできるのかもしれませんが、今の私にはできません。正しいカウントが表記してあるチャートに飢えているとでもいいましょうか、間違ったカウントが表記してあるチャートを見て間違った思い込みをしてしまうことは避けたいと思っています。

今のところ信用できるのは、この書籍(「エリオット波動入門」)しかありません。正しいのか間違っているのかどうかわからないカウント表記がしてあるチャートを10個見るのであれば、書籍中の同じチャートを10回見るほうが力はつくのではないかと思っています。1,2回見た程度ではすぐに忘れてしまいますからね。

今回のオルターネーションですが、かなり意外でした。思っていた以上に機能しているといった感想です。あくまでも感覚的なものですが、9割近く機能しているように感じています。

一点引っかかっているのは、修正波の形状です。ジグザグ、フラット、トライアングル、どこまで歪な形が許されるのか、それはまた個別に検証しないといけないと思っています。

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