5つの波のパターン、「波のモード」

基本的な考え方

「フィードバックループ」の説明がされているのですが、これを読んで目から鱗といいましょうか、なるほど、あり得るかもしれないという閃きのようなものを感じました。

エリオットは波をパターン化していますが、恐らく大半の人が思うように、私も不可能なのではないかと思っていました。「波(Wave)」といいましても、単なる偶然といえば偶然ですし、未来のことがわかる人などいないはずですから。

フィードバックループ・・・即ち、株価というのはすぐに「結果」が出ます。そしてその結果が、他の投資家の行動の「原因」になるということです。

たとえば見知らぬ誰かに突然殴られたとします。ほとんどの人はムカッとくるでしょう。殴られたら怒る、こういう本能が人には備わっています。SNSが発達したせいか、最近特に集団心理のようなものを感じます。誰かの発言に対して、みんなが一斉に叩く、炎上などのことです。不愉快に感じるポイントが、ほとんどの人は共通しているのです。不思議に感じますし、それが本能というものなのでしょうが。ひとつの原因に対して、ほとんどの人が同じように感じ、同じような行動を起こすこともあるわけです。

株価がこういう動きをしたら、次はこういう動きをする・・・。そこに法則性があっても不思議ではないのかなと。株価を動かしている、つまり発注しているのは人であり、その人たちもやはり本能は有しているわけですから。前ページで言及した4人の経済学者(?)が言っていたことは、恐らくこういうことだったのだと思います。

参考:序文|「エリオット波動入門」書籍

逆に、意見が分かれることもたくさんあります。波動原理が通用しないのはそういうときだと思います。外れたときに焦点を当てて、波動原理は使えないと判断してしまうのはもったいないと思います。多数は正義、そのような視点で相場を見たいと思っています。

また、株価の方向はニュースによって作られるものではない、とのことです。私が最初に株の勉強をしたとき、投資の方法には、「テクニカル」と「ファンダメンタル」という主に2つの方法があることを知ったのですが、エリオットの波動原理は、ファンダメンタルとは真逆に位置する理論です。

ファンダを重要視している投資家もいらっしゃいますから、好み、相性などの問題になるのかもしれませんが、エリオットの波動原理においては、指標などは完全無視ってことになっちゃいますね。

株価というのは、ニュースなどで形成されるのではなく、パターン化された波なのだそうです。端からパターン化されているのであれば、そこに理屈などは必要なく、宗教的だろうがオカルト的だろうが、私はそのように割り切って考えるようにします。

参考:1962年、NYダウ|トランケーションのチャート例

5つの波のパターン

5つの波

5つの波

  1. 第1波、第3波、第5波⇒ある方向を示している。
  2. 第2波、第4波⇒逆行している。※波の継続のための必要条件

5つの波の形についての、一貫した3つの「特徴」

5つの波のパターン、推進波、衝撃波

5つの波のパターン、推進波、衝撃波

上図、今回の項目では左の「5つの波のパターンの特徴」だけで良いのですが、先回りして、推進波、衝撃波も描きこんでみました。一般的な5波動の波について、波動原理においては以下の3つが登場します。

  1. 5つの波のパターン(形)
  2. 推進波
  3. 衝撃波

それぞれの成立条件が微妙に違うため混乱するのです。以上を踏まえて、まずは「5つの波の特徴」からです。

5つの波の特徴

5つの波の特徴

  1. 第2波は、第1波の始点を下抜くことはない。
  2. 第3波が、最も短い波になることはない。
  3. 第4波が、第1波の価格帯に割り込むことはない。

波動原理には、「ルール」や「ガイドライン」というものが存在しますが、ここではあくまでも「特徴」です。どんなパターンになろうとも、恐らく延長とかが起きて5波ではなく9波とかになったときにも、結局は5波に収まるということのようです。

第1波と第3波の関係ですが、「5つの波の特徴」においては触れていません。しかし以降の「推進波」と「衝撃波」においては、第3波は第1波よりも大きくないといけないのです。この点が混乱の元です。

相場を読むにあたって、推進波なのか衝撃波なのかを判断する場合、そのときには当然、「推進波であるための条件」、「衝撃波であるための条件」にそれぞれ当てはめるでしょう。だとすれば、この「5つの波の特徴」は、何のために覚えるのかということになってしまいます。

このすぐ後の項目は「波のモード」なのですが、2種類あるモードのうちの「推進モード」の特徴として、この「5つの波の特徴」が挙げられています。ということは、波のモードの判定の際に利用する知識なのか、ということになるのですが・・・。

確かに、推進波であろうが衝撃波であろうが関係ない、とりあえず5波動なのか3波動なのか、それだけがわかれば十分という場面はあるような気もします。そのときには第1波が第3波よりも大きくなっても構わないということになってしまいます。

この「5つの波の特徴」については、私は概念的なものとして捉えることにします。実践的な条件は、推進波、衝撃波のほうを使います。

参考:「推進波」と「衝撃波」

副次波との関係

副次波との関係

これはデモトレードを通じて疑問に思っていることです。例えば上図のように第1波が延長した場合、普通は第1波が最長になりますが、こういう場合の波の長さについてです。あくまでも波の段階(degree)毎に判定すべきだと思うのですが・・・。

例えば5(3)は、距離が近いために目が行きがちですが、波の段階が違うので、長さという点では比較してはいけないと思うのです。(3)と比較するのは、あくまでも(1)ということです。その上で、第3波が最短になっていないかどうか、そのような視点で分析するのではないかと・・・。

しかしこれだと第1波のほうが長くなりますから、推進波や衝撃波の条件を満たさないことになってしまいます。以降学習する「エクステンション(波の延長)」の項目で再考することにします。

参考:エクステンション(波の延長)

第3波の長さ

第3波の長さ

もう一つ、今まで適当にスルーしていたのですが、ふと疑問に思ったことがあります。第3波の長さについてです。

5つの波の特徴では、「第3波が最も短い波になることはない」という言い回し、推進波では、「第3波は常に第1波の値幅よりも大きく動く」という言い回しです。

推進波に関しては、縦軸の長さだと思います。「値幅」ということは、値の幅、縦軸の長さですよね。推進波はトレンドを推進することが目的の波ですから、横にいくら伸びても意味がないと思うのです。5つの波の特徴に関してはわかりませんが、値幅ということで統一させておきます。

また推進波では、「リトレイスメント率」という言葉もでてきます。この際すべて縦軸(=値幅)ということにします。フィボナッチも縦軸だけを考慮したラインの引き方をします。

トレンドの最も大きな段階においては、

トレンドの最も大きな段階においては、基本的にこうした5つの波のパターンになることが確認されている。』

この文言はそれほど重要ではないのかもしれませんが、少し気になりました。大きな段階においては適用されるけれども、小さな段階ならばこの特徴は守らなくても良いのか、とも読み取れるからです。

「5つの波の特徴」が意味を持つ場面のひとつが、ひょっとするとこの「トレンドの最も大きな段階」での判定用なのかもしれないと思ったりもするのですが、波はフラクタルといってますし。神経質な人は波動原理を勉強してはいけないのかもしれません。

※ふと閃いたのですが、この文言は恐らくこういうことだろうと解釈することにします。つまり、時間軸によって波の見え方は変わるということです。たとえば1分足では第4波と第1波が重複していたとしても、時間軸を上げれば、それはヒゲになって、重複していないように見えるということです。実際そのような場面って多くないですかね?

ただローソク足を使っているのって日本人だけのような気がしますし、だとすればヒゲというのも日本人特有のものになってしまうのですが。しかし時間軸を上げれば、重複している波も1本のバーに組み込まれてしまいますから、同じように考えることはできると思います。

小さい時間軸ではノイズが多く、単なる衝撃波を、波が重複しているという理由で修正波と解釈してしまうのは違うように思いますし、正しいカウントもできないのではないでしょうか。

5つの波のパターン、推進波、衝撃波-2

5つの波のパターン、推進波、衝撃波-2

そして恐らくですが、この5つの波の特徴というのは、衝撃波のルールそのものではないかと思いました。そのように考えると、推進波のルールだけが少し特殊ということになります。

実践的には、①第3波は最短にならない、②第4波は第1波に割り込まない、この2つだけのチェックで良いということにしておきます。

もしもこの2つの条件から逸脱している波があったら、まずはダイアゴナルかどうかを判定して(副次波が「3-3-3-3-3」)、それも違うとなったら単なる推進波ということにします。その場合には、一応第3波は第1波よりも大であることがルールになります。

※追記(2020.1.19)

このあたりのことについては、少し考えが変わりました。重複していれば、まずは修正波と考えています。相場においては、単なる推進波というものは存在しないのではないかということから来ています。推進波の目的は相場を推進させることですから、それなら素直に衝撃波になれば良いのではないかと思います。重複するということは、推進させるというその思いが弱いからで、ではそれは修正波ではないのかと、そのような感覚です。勿論、ダイアゴナルや延長の可能性は考えておかないといけません。

※追記(2020.4.11)

また少し考えが変わりました。やはりこの書籍に書いてあるとおり、5波動の波にも3種類あるのかもしれないと思い始めています。

基本的に衝撃波というものは、平行なチャネルラインの中に収まって辻褄が合ってないといけないと思っています。そうはならない5波動の場合には、推進波の可能性も考えてみると。モードの判定は、基本的に衝撃波と同じです。推進波の判定の際の、「第3波が第1波よりも大」、だけは注意しておきます。が、はっきり言ってまだよくわかっていません。

「波のモード(動き)」

波のモード

波のモード

推進モード(Motive Mode)

(関連する用語など):推進波(Motive Waves)/推進段階/5「Five」/数字表記/Action/アクション波(Actionary Waves)/トレンド波(Trend Waves)/1,3,5(奇数),A,C

  1. 2つの特徴①上述した「5つの波のパターン」。
    ②第1波、第3波、第5波は同じ方向(メジャートレンド)を向いている。
  2. 相場を力強く引っ張っていく。より大きな段階の波に発展する原動力となる。
  3. いくつかのアクション波は、「修正モード」(3つの波またはその変形)になることもある。アクション的な修正波として、以下のページにまとめてあります。

参考:アクション的な修正波|オーソドックスな天井と底

修正モード(Corrective Mode)

(関連する用語など):修正波(Corrective Waves)/修正段階/3「Three」/アルファベット表記/Reaction/リアクション波(Reactionary Waves)/反トレンド波(Countertrend Waves)/2,4(偶数),B

  1. 3つの波やその変形」で構成される。
  2. トレンドとは逆行してその流れを中断する。それに先立つ推進波に対する反動として」出現する。より大きな段階の波への発展を阻止する。
  3. 第2波、第4波も含む。
  4. リトレイスメント(押し・戻り)。

「3つの波やその変形」の、「その変形」というのはトライアングルのことだと思います。5つの波で動きますから。5波動だけれども、トレンドには逆らっています。

「それに先立つ推進波に対する」という文言は大切だと思います。修正波というのは、修正する推進波が決まっているんですよね。むやみやたらに逆方向に動いているわけではなく、あくまでもそれに先立つ波だけの修正をしているのです。

「先立つ波」という言い回しが、以降を読むと迷ったりもするのですが、修正波の場合には、単純に直前の推進波になると思います。

参考:第5波に先立つ波が、あまりにも早く遠くに行き過ぎた場合に、第5波で起こるパターンである。|ダイアゴナルトライアングル(ウエッジ)

完全なサイクル

波のサイクル

波のサイクル

上図左、「5波で上げて3波で下げる」というエリオット波動の根幹の波のパターンですが、この後に登場する修正波をどのように持っていったらよいのか、最初私は相当迷ってしまいました。

左の基本形というのは、あくまでも修正波がジグザグの場合ですよね。そのジグザグの部分がごっそりと、フラットになったりトライアングルになったりします。「5波動+3波動(ジグザグ、フラット、トライアングルなど)」で、ひとつのサイクルが終了します。

パターンとサイクル

パターンとサイクル

「パターン(推進波)+パターン(修正波)」=「サイクル」、このような視点で波を見ることが役立つかどうかは模索中なのですが、パターンを読んだ後には、一応サイクルを気にするようにしています。「第1波+第2波」の部分なのか、「第3波+第4波」の部分なのか、それとも一回り大きな段階の部分なのか、そのような見方ができます。

「パターン」→「サイクル」→「一回り大きなサイクル」→(元に戻って)「パターン」→「サイクル」→「一回り大きなサイクル」→「更にひと回り大きなサイクル」→・・・このようなイメージです。

また「第1波+第2波」、「第3波+第4波」とサイクル毎に区切って見ると、第5波とC波は浮いた存在にも見えてきます。

※追記(2020.8.30)

上図はわかりずらいですね。余計混乱してしまうというか。最近は下図のような見方をしています。

基本は3波動?

基本は3波動?

波は3波動で動いていると解釈している方を以前どこかで見たことがあったのですが、そのときにはそんなはずはないと勝手に切り捨てた記憶があります。しかし、波動原理をそれなりに勉強していけば、自ずとここに行き着くのではないかと思えてくるほどです。

波を1、2、3、と数えて、3波完成したところでその3波動の波がワンセットになります。ここで「ターン」します。3波動が終わった時点で、多くの波は引き返すのです。その引き返す波もやはり3波動です。どこまで引き返すのかは、ジグザグやらフラットやらのチャートパターンによります。

3波動が終わった時点でターンする、という見方をしてれば、逆に引き返さないと、あれっ?ってなります。衝撃波になるかもという予測になります。そのときには衝撃波になり得る波なのか、ガイドラインなどに当て嵌めて考えます。

今現在は3波動のどこに位置しているのか、そのような視点で波を見ています。以上は私の現時点での勝手な解釈で、また更に考えは変わるかもしれません。ご了承のほどお願いします。

※追記(2020.10.28)

また考えが変わりました。衝撃波は確固たるものとして存在していると思います。

修正波の考え方

修正波の考え方

修正波についてイメージすると上図のようになります。それに先立つ推進波に対する反動として出現、しているわけですが、しかしそれほど単純なものでもないと思います。

フラクタルとか波の段階(degree)のことを考慮すると、修正波といっても、中(副次波)には推進波が潜んでいたりします。ひとつ上の段階の推進波が紛れ込んでいたり、でもそれはベクトルとか力関係のことで見た目はどうなるのかなど、そういうことを考えると永遠ループになってしまいます。とりあえず、現在の修正波がどの推進波を修正しようとしているのか、直接的な関係だけは意識しておくべきでしょう。

基本的な形(Form)

推進波は必ずしも上向きではないし、修正波は必ずしも下向きではない。

波のモードは「絶対的な方向」ではなく、主に「相対的な方向(Relative Direction)」で決定される(「4つの特別な例外を除く」と書いてあるのですが、何のことなのかわかりません)。

(結論)

  • 一回り大きなトレンドと同方向=アクション(Action)→推進モード5波
  • 一回り大きなトレンドと逆方向=リアクション(Reaction)→修正モード3波

実践的には、まずは一回り大きな波の方向(トレンド)を見極めて、それと同方向なら5波で進むはず逆方向なら3波で進むはず、と覚えておこうと思います。

逆に、現在の波が3波動なのか5波動なのか確信が持てるならば、おのずとトレンドがわかるという理屈になります。以下で、私の解釈を図解したものを載せています。

※追記(2020.8.10)

最近思うのが、アクションとリアクションを意識しておくことは大事なのではないかということです。アクションであれば何が何でも5波動を作りにいく、リアクションであれば何が何でも3波動を作りにいく、そのような見方をするのが良いのかなと。そのような動きは律儀であって、信じて良いのかなと思っています。

なぜ5波と3波なのか?

エリオット自身は特に説明はしていないそうですが、著者によると「変動(Fluctuation)」と「進行(Progress)」の両方を達成させるために、この形が最も効率的だからということです。それが最小限の単位で、自然の摂理といったところでしょうか。

私が思うに、修正波の存在が前提なのだと思います(そのようなことが書いてありますが)。相場を人として見ている波動原理においては、誰しもいつかは亡くなるように、一直線で進むことはあり得ないのです。

波の最小単位

波の最小単位

たとえば上図のような、最小単位に思える「3波+1波」の波があるとします。これだとA波が一直線になってしまいます。このA波にも変動が必要だということです。

しかもこれだと、3波+1波=4波動の波になってしまい、フィボナッチ的にも都合が悪いです。5波+3波=8波動の波は、フィボナッチ数列の最小値(0,1,2は除く)でもあります。最小=一番効率的、一番効率的=自然の摂理、ということです。

※「フィボナッチ数列」:0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, 1597, 2584, 4181, 6765, 10946, …

参考:フィボナッチ数列|フィボナッチ級数、黄金比率

ちなみにダウも、3/8以上を帳消しにする逆の動きの存在のことを言ってました。

参考:チャールズ・ダウ|「エリオット波動入門」書籍

9つの波の段階

『波の段階は、「構成部分の波」、「近隣の波」、「周囲の波」などと比較したその規模と位置によって決定される。』

「近隣の波」、「交互の波」、「副次波の大きさの関係」、すべてフィボナッチが絡んできます。

参考:基本形|比率分析、リトレイスメント

  1. グランドスーパーサイクル:○Ⅰ、○a
  2. スーパーサイクル:(Ⅰ)、(a)
  3. サイクル:Ⅰ、a
  4. プライマリー:①、○A
  5. インターミィーディエット:(1)、(A)
  6. マイナー:1、A
  7. ミニュット:○ⅰ、○a
  8. ミニュエット:(ⅰ)、(a)
  9. サブミニュエット:ⅰ、a【最小単位:時間足】

波の段階の「9」というのは、フィボナッチ数ではありません。エリオットの時代は最小単位が時間足で、そこから段階を上げていき、9段階目でマックスになったということだと思います。15分足で見える波はどう呼ぶの?となったら今は対応できませんし、名称は重要ではないと書いてもあるので、私は覚えていません。

ただカウントの表記については、小さい順から、「1→(1)→①」、「ⅰ→1→Ⅰ」、「a→(a)→○a」、「a-A-a」のようになっており、わかりやすいので使うようにしています。

新しい波が「副次波(subwaves)」としてスタートしたときは、その段階を正確に特定するのは難しい。それ以降の出来事が、常にその波の段階を明らかにしてくれる。』

この文言は言ってることはなんとなくわかるのですが、活かし方がわかりません。副次波でスタートといっても、どんな波でも絶対に副次波でスタートしているはずです。波はフラクタルなんですから。

時間足と副次波

時間足と副次波

最近チャートを見ていて、こういうことなのかなと思ったことを描いてみました。

割り切りが必要だと思うのですが、その時々で、綺麗にカウントできそうな時間軸が存在しているのではないだろうかと。そんな状況下で、いつもは副次波までは見えない時間軸だったはずなのに、副次波まで見えてしまうときもあるのではないかと。まったく見当違いなことを言っているのかもしれません。

参考:エリオットは、波の「正しい姿」は、全ての段階のトレンドで同時にはっきりすることはない、と警告している。|波の「正しい姿(The Right Look)」

普通(?)の波なのか、副次波なのか、それは常に意識していないといけないでしょう。ただし、「相対的な段階」が最も重要であって、波の段階と株価の予想との間には大きな関連性はないということです。

ひとつ上、ふたつ上くらいまでの段階がわかれば、そのひとつ上、ふたつ上レベルまでの予想はできるということではないでしょうか。3つ上、4つ上まで把握できなくても、そのたとえ狭い範囲内であっても、予想ができれば稼ぐチャンスはあるのだと思います。予想することと波の段階は、確かに関係ないことなのかもしれません。

この書籍中には、カウント表記してあるチャート例がいくつか載っています。それらを見ると、波のカウントというのは主観に感じます。何を重視してカウントしているかというと、「チャートパターン」です。木よりも圧倒的に林を優先しています。林にある程度確信が持てるならば、その林に都合が良くなるように、木はこじつけてしまっても良いのではないかと、波の段階についても、きっちりと特定できないのであれば、林に合わせてしまえば良いのではないかと、そのようなことを感じます。

度々「相対的(Relative)」という言葉が用いられています。「絶対的な段階」とは、単純に上向き(強気相場)か下向き(弱気相場)かということだと思うのですが、エリオットの波動原理ではそれは重要ではないのですね。とにかく、現在の波に比しての一回り大きなトレンド、これこそがエリオットの波動原理の最重要項目と言えるでしょう。

参考:第1波と第2波の連続と勘違いしていはいけない。|ダイアゴナルトライアングル(ウエッジ)

参考:目的を表す用語|用語の補足説明

波の働き

アクション波、リアクション波

アクション波、リアクション波

ここでは、「アクション」と「リアクション」という言葉で表現されています。エリオットの波動原理を学習していて私が最初にぶつかったのが、これらの用語です。非常に紛らわしく、一つにまとめてくださいって感じです。

しかし今後、特に各修正波を学習する際、このあたりの知識を押さえていたほうが理解しやすくなると思います。「波のモード」と「波の働き」という2つの概念的なものがありますが、「相対的な方向」によって決定されるという点では全く同じです。

波の働き(中身のこと)

  1. アクション
  2. リアクション

波のモード(外見的なもの)

  1. 推進モード(5波動)
  2. 修正モード(3波動)

波の分類

  1. アクション波→5波動(推進モード)で動く。 ※3波動で動く波もある。
  2. リアクション波→3波動(修正モード)で動く。

以上のように私は覚えています。モードを先に持ってくるのではなくて、働きを先に持ってきます。そうすると、アクションなのに3波動で動く波というものが見えてきます。これを「アクション的な修正波」と呼ぶのですが、「修正的なアクション波」のほうが私はイメージしやすいです。だってアクション波ですもん。

もちろん修正波でもあるのですが、修正波としてしまうと「修正」が前面に押し出されてどっちだっけと一瞬戸惑うのです。波の中身、質を考えてから、それに見合うモードになっているか。この順番のほうが、私はスムーズに考えられます。

実践的には、5波動なのか3波動なのかに目は行きますが、それと同時に、というかそれよりも先に、アクションなのかリアクションなのかというフィルターをかけることで、トレンドを意識することができると思います。モードと働き、どちらを優先させるかというと「働き」だと思うのです。トレンドに逆らってはいけないという、トレードの大原則を破らないためです。

トレンドを優先させる

トレンドを優先させる

たとえば上図のような場面ですが、5波動であってほしいのに3波動にしか見えないときってあると思います。じゃあ3波動だから間違いとするのではなく、多少強引でも5波動としてしまうのです。こじつけですけど、トレンドの向きを守るためには、このようにするしかない場面があると思うのです。

参考:波の働きとモードのまとめ|オーソドックスな天井と底

参考:「X波」は、一般にはほとんど「ジグザグ」である。|複合型(ダブルスリーとトリプルスリー)

上述した「波のモード」では、だいたい似たようなことでしょうと、(関連する用語など)は同じ括りで書きました。ひょっとすると間違っているのかもしれませんので、ご了承のほどお願いいたします。

「アクションの働き(Actionary Function)」と「推進のモード(Motive Mode)」の違いを理解するには、波のパターンの構成に関する詳しい知識が必要になる、と書かれています。書籍中のここまでの図には、その違いを明確にしていないそうなのですが、この先に詳しい説明があるのかどうか、今のところわかりません。少々気になるところです。

波の見方

波の見方

画像引用元:1934年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

波のモードや働きなどの概念的なものが登場し、それらを意識していると、ついつい近視眼的に波を見てしまいます。でもそれは順序が逆なんですよね。あくまでもトレンドがあって、そのトレンドに対して、推進しようとしているのか、逆行しようとしているのか、そういう見方をする必要があります。

たとえば上のチャートの第(4)波ですが、今の私ではどうカウントしたらよいのかわかりません。しかし、トレンドに逆行している波であることだけは確かだと思うのです。

カウンティングのイメージ

カウンティングのイメージ

今現在、上図のように波を見ています。波の構成は3波動と5波動の2種類しかなく、最低でも3波動必要です。修正波のチャートパターンの応用(引き出し)を、どれだけ持っているかが重要なのではないかと思います。

3波動、5波動が出現する場所

3波動、5波動が出現する場所

3波動、5波動が出現する場所

上図の、3波動、5波動が出現する場所についてですが、これは書籍に書いてあることではなく、私の全くの思い付きで描いたものです。波動原理を勉強していても少し間を開けると忘れてしまうのですが、これだけは覚えておきたい考え方みたいなものです。

ここまで学習した波動原理の中で、特に役立つのではないかと思っている知識が、3波動と5波動の概念です。相場の波というものは、波動原理に当てはめると、結局は3波動と5波動の集合体だと私は解釈しています。3波動と5波動、このたった2種類しかなく、全ての波はこの2種類の組み合わせで成り立っています。4波動とか6波動などはあり得えません。

信じるか信じないかの問題ではありますが、仮にこれを信じるならば、相場を読むにあたって、これこそが一番大きな武器になると思うのです。通常とは逆の読みになってしまいますが、3波動か5波動かがわかるだけで、トレンドがわかりますし、出現する場所も限定されます。これはチャートパターンの読みに直結します。勿論例外もありますので、ここではあくまでも大雑把なイメージです。

基本的な波のテーマのバリエーション

波動のコンセプトにはかなりの「バリエーション」、即ち数え切れないほどの「変則パターン」がある。

  • 識別できる「傾向」と「必要条件」がある。
  • エリオットは「ルール」と「ガイドライン」を作成した。
  • 相場は「どのように動くのか」、「どのように動かないのか」、を理解しなければならない。

「どのように動かないのか」、は演繹法に繋がります。

参考:最高のアプローチは演繹法である。|基礎を学ぶ

ガイドライン

  • 第2章「波のフォーメーションに関するガイドライン」
  • 第4章「比率分析とフィボナッチの時間級数」

ガイドラインは、「ルール(絶対に破られてはいけないもの)」よりは一段下の、技術的な取り決め事(多少の例外も認められる)みたいなものと解釈しておりますが、フィボナッチもガイドラインになるのですね。

参考:「ルール」と「ガイドライン」|「推進波」と「衝撃波」

参考:ガイドライン

参考:フィボナッチ

波のテクニカル分析の追加的な要点

詳しい分析論に入る前の要約です。

推進波

ほとんどの推進波は「衝撃波」の形をとる。

衝撃波でもダイアゴナルでもない、単なる推進波というものが存在するのかどうかはわかりませんが、ダイアゴナル以外の推進波は全て衝撃波と考えておいて良いのではないでしょうか。つまり、第3波は第1波よりも大、ということになりますが、第1波が延長した場合はどうなるのでしょう。

ちなみにここでの衝撃波の説明は、①第4波は第1波と重複しない、②第3波は最短とならない、この2つだけです。第3波は第1波より小でも許されるのかってことになってしまうのですが・・・。

衝撃波の中の一つの推進波は、「延長」することが多い。

衝撃波の中の推進波

衝撃波の中の推進波

衝撃波の中の推進波⇒文字通り解釈すると、衝撃波の中のアクション波は、推進波でも良いのか(第4波と第1波が重複する)ってことになってしまいます。しかしそれだと理屈として成り立たないような・・・。

ちなみに以降で学習するエクステンションでは、『延長波とは、さらに小さく細分される波を持つ延長した「衝撃波」である。』と書いてあります。延長波が衝撃波というのは確定ですが、延長波ではない残りの2つは、推進波のままで良いってことなのでしょうか。原文を読みたいところですが、英語は得意ではないですし、よくわかりません。

参考:延長波とは、さらに小さく細分される波を持つ延長した「衝撃波」である。|エクステンション(波の延長)

まれに「ダイアゴナルトライアングル」(斜行三角形、ウエッジ、くさび形)と呼ばれる変則パターンがある。

始点「第1波、A波」、終点「第5波、C波」にのみ現れるパターン。

参考: ダイアゴナルトライアングル(ウエッジ)

修正波

数多くのバリエーションがある。

「ジグザグ」、「フラット」、「トライアングル」、「複合型」など。

修正波の第2波と第4波は「常に」交互の形として現れ、

一つの修正波が「ジグザグ形」となるとき、もう一つの修正波は「ジグザグ形」とならない。

「常に」と明言してますから、オルターネーションの法則は相当強力なものなのでしょう。相場を読むときに、実は一番優先させるべき法則だと思っています。どうしてそうなるのか理由はわかりませんが、事実であれば理由は必要ありません。ここでは「ジグザグ」ではなく、ジグザグ形という言葉を使っています。

参考:衝撃波の第2波が「急こう配」の修正となるときは、その第4波は「横ばい」の修正になると予想される(逆も同じ)。|オルターネーション(交互)の法則

修正波は、第4波の範囲内で終了する。

『同じ段階のそれに先立つ衝撃波を修正する第4波の範囲内で終了する』、ということなのですが、恐らく以下のページのことを言っているのだと思います。違うかもしれません。

参考:基本形:第(4)波⇒第4波の底|修正波の深さ

各修正波にはそれぞれに異なる出来高の特徴があり、株価のモメンタム(勢い)や投資家のセンチメント(市場心理)という点で、特有の個性がある。

参考:修正波の特徴

 

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