まえがき
チャート例に入る前に、このようなことを気にしてチャートを見るのが良いのではないかという、私自身が今やっている波の見方を書いておきます。自分の確認用です。
3波動単位で見てみる
最近思っていることがあって、修正波の場面に入ったら、少し頭を切り替えて、「1-2-3、1-2-3、・・・」と、とりあえず3波動単位で波を見るようにしています。
エリオットといえば、「エリオット波」というくらいですから衝撃波がメインの理論というのでしょうか、衝撃波さえわかれば十分稼げるのではないかと思っていたため、修正波については軽視していました(というかどうせ無理だとあきらめていました)。しかし衝撃波を探すような視点でチャートを見ていると、私の場合ですがすぐに行き詰ってしまいます。
ところが3波動単位でカウントを始めてみると、これが意外と嵌るように思ったのです。むしろ波というのは、基本的に3波動単位で動いているのではないかと思えてくるくらいです。無理に5波動に当て嵌める必要はないですから、多少は気が楽になります。
そうすると今度は、5波動の衝撃波のほうが特殊なもののように思えてきます。3波動が基本形という感覚で見ていれば、5波動の衝撃波というのは、3波動の後に、第4波と第5波が乗っかる形というのでしょうか。ただなんでもかんでも乗っかるわけではなくて、それ相応の条件が揃わないと5波動にはなってくれません。そこはフィボナッチ、オルターネーションの法則などを利用して予測します。
今はこのような感じで波を見ているのですが、逆に選択肢の幅が広がってしまうことにもなって(こじつけのテクニックを覚えてしまう)、そのあたりはまだまだ試行錯誤中です。
修正波の副次波
修正波の副次波について、今一度確認のため上図を描いてみました。全くの私の解釈であることはご了承ください。
たとえば3波動の波が下りてきたとして、次にどのような波が出現するのか予測するとして、その予測をするためには、まずはその3波動の波が、通常レベルの波なのか副次波レベルの波なのかを知っておかないといけないということです。
これは言い換えると、その3波動の波で、修正波が終わっているのか終わっていないのかの違いでもあります。通常レベルの波でそこで修正波が終わっているとすれば、トレンド転換により次は衝撃波の出現になります。若しくは、一応は終わっているとしつつも、X波の出現により修正波続行の場合もあると思います(X波が出現する場合の波の段階はまだよくわかりません)。
その3波動の波が副次波レベルであれば、それは単なるA波が終わったにすぎませんから、次はB波、C波などが出現するという予測になります。通常レベルの波なのか副次波なのか、その2つの可能性を意識しておくことが必要だということです。
衝撃波では自然とそのようなことは意識していたのですが、修正波ではちょっと事情が違うと思うのですよね。衝撃波であれば、第1波、第3波、第5波の副次波もやはり衝撃波になっているはずで、そこはフラクタルだと思います。
しかし修正波では、ジグザグのA波とかであれば5波動であり、3波動のジグザグとはフラクタルにはならないと思うのです。フラクタルであれば、トライアングルの副次波は全部トライアングルになるのかって話になってしまいます。全く頓珍漢なことを言っているような気もしますが。
修正波というのは基本的に3種類ありますし、副次波は5波動も3波動も入り乱れており(7波動もあるように思います)、だから難しいというのでしょうか。衝撃波は5波動一種類のみですから。当面修正波の分析については、波の段階というものを意識してやっていこうと思っています。
チャート例
書籍(「エリオット波動入門」)に載っている、トライアングルのチャート例です。
1973-1977年、銀、トライアングル
画像引用元:Silver Price Forecast|Hubert Moolman on SILVER and GOLD
1973年ごろからの、第4波でのトライアングルの例です。全体の正しいラべリングはわからないのですが、第2波でジグザグ、第4波でトライアングルというこのような波を見かけたら、とりあえずこの部分だけでも、その形状だけで衝撃波と判断して良いように思います。
第4波での最初の副次波
最初の波が、5波動で下りてくるのか3波動で下りてくるのかは、その後の行く末を決定づける重要事項だと思っています。5波動で下りてくれば既に下げる気満々、3波動であれば上昇余地がまだ残されている、そのように私は見ています。
下のチャート例では、4年間も横ばい状態が続いています。勿論時間軸にもよりますが、小さな初動が、その後の長い期間を支配してしまう、そのくらいに考えていて良いように思います。
画像引用元:Elliott wave principle on IqOption|Online Trading Broker Review
最初の波は3波動で下りてきたので、まだまだ上昇する余地はあるぞと見ておくべきでしょう。波の規模的に、副次波のa波と解しておくのが無難でしょうか。戻る動き(結果的にダブルトップに見える)、シンメトリーなどから、「3-3-5」のフラットに見えます。この時点でジグザグの可能性は小さくなるでしょう。
次のb波は、戻る動きというには浅いと思います。フラットとするには不自然なので、この時点でトライアングルが濃厚になると思います。各波に0.618は当てがっておきたいです。
またトップのヒゲは、前半が2本、後半は1本になっています。後半は、衝撃波っぽい動きもちらほら出現しはじめているように見えます。抜ければスラスト(トライアングルの副次波の一番幅広な長さ)か延長波を予測します。
A波のボトムはラインに届いていないのですが、このようなパターンになることもあるということは覚えておきたいです。
C波とD波は観音開き、シンメトリーに見えます。これが登場するのは、フラットのa波とb波、若しくはトライアングルの副次波、この2箇所だけだと解釈しています。3波動の連続ですから(ダブルスリーも3波動の連続になると思うのですが、シンメトリーにはならないと思います)。
D波とF波もシンメトリーに見えます。同じような波が2回連続で出現し、3回目で崩れかかり流れが変わるという、毎度お馴染みのストーリーです。衝撃波と同じです。
F波(リーディングダイアゴナルに見えなくもない)からは既にスラストが始まっているようにも見えてしまうのですが、トライアングルの頂点(Apex)は気にしておくべきでしょう。Apexはルールレベルの強い規定のようなものです。なんとなくなのですが、抜けてからApexまでがスラストのように見えます。
初っ端からフラットが2連続で出現しているように見えます。その後は7波動の波?そのあとも7波動の波?ここまでくると形的にトライアングルという判断になるのでしょうか。抜ければ最低でもスラストは期待しますが、第5波のとんでもなく強い延長波となったようです。4年間も横ばい状態が続きましたから。
初っ端は観音開きのフラット、ダブルトップとして、c波の5波動を狙いたいです。
年ごとのチャートを見てきたのですが、まだまだラべリングなどはよくわかりません。強引にラべリングをしてしまうことも可能ですが、間違った覚え方をして、それを正解と思い込んでしまうのは怖いです。
そんな中、なんとなく感じたことがあります。トライアングルの副次波をこれだけ時間を掛けて見たのは初めてだったのですが、相場を読むにあたって一番重要視しておくべきことは、やはりフィボナッチなのではないかということです。
衝撃波やジグザグやフラットなど、とりあえずチャートパターンというものを学んできましたが、そのチャートパターンありきの考え方では間違えてしまいそうです。チャートパターンに当て嵌めようとする試みは、順序が逆というのでしょうか。フィボナッチ、目標値、まずはそこの見当をつけるのが先だと思います。そこに辿り着くまでの波動は、ぐにゃぐにゃとずれこんでしまうことも多々あり、通り一遍等の覚え方では限界を感じます。
1975年、NYダウ
画像引用元:Elliott Wave Principle ( A Short Course ) Part 2|Traders Laboratory
ランニングにもほどがあるっていうくらい、b波はa波の始点を大きく超えています。しかしそもそもランニングは、このような波動を描くものなのではないでしょうか。b波は、先立つ衝撃波の流れを受け継いでいるように見えます。
ジグザグのb波のトライアングルです。
1000年の「物価水準」
画像引用元:Figure 5-1|ELLIOTT WAVES: A COMPREHENSIVE COURSE ON THE WAVE PRINCIPLE
これもランニングトライアングルだと思います。
大豆先物
第2波と第4波の規模が違いすぎるように思うのですが、一応こういうパターンもあるということは覚えておくべきでしょう。
トライアングルとしての形も不格好です。ただこの修正波の形状はぜひ覚えておきたいのですが、これをジグザグとかフラット、若しくは延長波などとは絶対に判断してはいけないということです。
小麦先物
ABCフォーメーションの、B波がトライアングルの例です。「ダマシのブレイクアウト」が、e波ではなく第2波で出現しているとの説明があります。
上のラべリングは私の独断なのですが、このほうが自然だと思うのですよね。アペックス、スラストを意識した、波動的なとでもいいましょうか。この全体的な流れがあっての書籍のラべリングであれば納得できるので、このようなパターンとして覚えておくことにします(ラべリングのテクニック的なもの)。あくまでも私の解釈です。
A波とC波の関係性は、衝撃波の第3波と第5波(トライアングルを挟む)と同じようなものなのではないかと思っていたのですが、このチャート例を見て違うかもしれないと感じました。このような波動は、衝撃波では出現しないと思うのですが、まだまだよくわかりません。
ロンドン金
1930年代、NYダウ
5波動の衝撃波のあとの最初の修正波、a波が5波動であればジグザグ一択になります。次のb波という波はどのようなチャートパターンであっても3波動です。0.612の戻りですから、ジグザグが濃厚になります。c波は5波動を期待しますが、b波がトライアングルになる可能性も考慮しておくべきでしょう。c波=a波×0.663というジグザグになったようです。
画像引用元:Figure 3-14|ELLIOTT WAVES: A COMPREHENSIVE COURSE ON THE WAVE PRINCIPLE
連続する波それぞれにフィボナッチが効いています。抜けてからのスラストが異様に短く感じたのですが、一番上のチャートではそれほど違和感は感じません。ラべリングありきの視点だと間違いそうになるので、常に大きな時間軸のチャートを見ておくべきでしょう。ただアペックスに関しては教科書どおりの動きになっています。抜けたら即アペックスで、予想以上に近くに迫っていたというパターンになるのでしょうか。
1941年のチャートは見当たりません。トライアングルの中身、副次波の確認をしたかったのですが、私にはかなり難易度が高いです。ラべリングが書籍に載っているわけではないので、正解もわかりません。
1977年、NYダウ
画像引用元:[Article] A Track Record of WP Application to the Stock Market – Part II|SOCIONOMICS
画像引用元:Elliott wave principle on IqOption|Online Trading Broker Review
画像引用元:Figure 3-15|ELLIOTT WAVES: A COMPREHENSIVE COURSE ON THE WAVE PRINCIPLE
ジグザグのB波がダブルスリーになっています。抜ければスラスト=第1波になっているようです。アペックスまでがスラストになるのかなと思っていたのですが、今回はスラストの戻し(第2波)までとなったようです。
あとがき
今回のチャート例を見る限りでは、トライアングルの分析はフィボナッチをあてがわないと話にならないなっていうくらいに感じました。基本は0.618ですから、見た目的には綺麗な三角形を描いていることが多いとは思います。
ラべリングに関しては、なんとなく三角形に見えるなというレベルよりも、もう少し慎重に行う必要があると思います。というのも、特に最初の波は、トライアングルの波動的には同じ流れを汲んでいるのでしょうが、第1波、X波などとカウントしたりしますから。やはり波動ありきであって、そこを見誤らないようにすることが先決だと思います。ラべリングはこじつけ的な側面もあると思いますから。
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