オーソドックスな天井と底

オーソドックスな天井と底(Orthodox Top or Bottom)

「際立った価格が正しい始点であるという間違った前提に立つと、・・・」

実際の価格自体を間違いといっているわけではなく、というか実際の価格は事実ですから、それを始点(終点)としてしまう持っていき方は間違いだということです。だとしても「間違い」という言葉を使うほど、波動原理では大切な概念なのでしょう。特にフィボナッチのラインの設定上は重要になるのではないでしょうか。

チャート例

実際の高値や安値と区別するための、パターンの始点、終点」のこと。

1976年のオーソドックスな天井

1976年のオーソドックスな天井

画像引用元:1976年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

上のチャートでいうと、実際の高値は第(3)波のトップなのですが、第(5)波のトップを「オーソドックスな天井」といいます。「パターンの終点」ですから、衝撃波であれば第5波、修正波であればC波のそれぞれの終点になるでしょうか。

今回はトランケーションが発生したため、第5波が第3波よりも低い位置で終わっています。このようなイレギュラーな出来事が起こらない、所謂普通の衝撃波であれば、実際の高値=オーソドックスな天井になるでしょう。

また上のチャートでは、本当の実際の高値は第(4)波内にあります。副次波のチャートパターンの分析(拡大型、ランニングの修正波など)では重要な値になると思うのですが、波の段階を一段上げての分析になると、埋もれてしまう値になるのではないでしょうか。

1962年のオーソドックスな底

1962年のオーソドックスな底

画像引用元:1962年のチャート(ヤフーファイナンス)|ダウ平均マン

上のチャートでは、第5波の終点が「オーソドックスな底」になります。同じくトランケーションが発生しています。というか、推進波でオーソドックスな天井と底を意識しないといけないのは、トランケーションのときのみですよね。

まとめ

パターンの始点と終点

パターンの始点と終点

この項目を最初に読んだときは、特段難しいことではないと思ったのですが、記憶があやふやだと少し迷います。

「オーソドックス」という言葉の響きが、今一つピンとこないといいましょうか、その始点、終点に結びつかないというか・・・。オーソドックスとは、「正統的な」という意味らしいですが、だからイメージしずらいのです。波動原理にとっては正統になるのかもしれないですけど。

「パターンの終点、始点」としたほうが、私は覚えやすいですし、これだとそのまんまだと思います。それぞれの波のパターンの始点と終点、それだけのことなんですよね。波をパターン毎に見るというクセをつけておいた方が良いのかもしれません。やはりオーソドックスというくらいですから、重要なポイントとして認識しておくべきでしょう。

波動原理ではオーソドックスであっても、プライスアクション的には、その重要度という意味では、真逆的になってしまうようにも感じます。

今回の項目を学習して、波動原理においては、波はパターンの連続という見方ができると思いました。すべての波は、何某かのパターンに属しているのです。

以前学習した「トライアングル」で、値幅とは具体的にどこのことを指すのか迷ったのですが、ひょっとしたら今回のオーソドックスな天井、底が関係しているのかもしれません。

参考:株式相場では、トライアングルが第4波に出現すると、第5波はしばしば動きが速く、そのトライアングルの最も広い部分の距離をほとんど動くことになる。|水平トライアングル(三角形)

また今後フィボナッチを学習しますが、フィボナッチのラインがずれたりする場合、そもそもの始点のラインがずれている可能性もあると思います。そういうときには、今回のオーソドックスな天井、底を改めて確認する必要があるのではないでしょうか。

実践的には、この後学習する予定の、第4章「予測のコンセプト」を適用するときなどに重要になってくるそうです。

参考:ボルトンの予測|比率分析の応用

波の働きとモードのまとめ

波のモードのおさらい

参考:「波のモード(動き)」|5つの波のパターン、「波のモード」

アクション波(Actionary Waves)

アクション波

アクション波

1、3、5、A、C、E、W、Y、Z

  • (衝撃波)⇒第1波、第3波、第5波
  • (修正波)「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」⇒A波、C波
  • (修正波)「トライアングル」⇒A波、C波、E波
  • (修正波)「ダブルジグザグ」「トリプルジグザグ」「複合型(ダブルスリー、トリプルスリー)」⇒W波、Y波、Z波

アクション波とは、トレンド(一回り大きな波の方向)を推し進めている波のことです。基本は推進モードの5波動ですが、例外的に修正モードの3波動も混じっています。

リアクション波(Reactionary Waves)

リアクション波

リアクション波

2、4、B、D、X

  • (修正波)⇒第2波、第4波
  • (修正波)「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」⇒B波
  • (修正波)「トライアングル」⇒B波、D波
  • (修正波)「ダブルジグザグ」「トリプルジグザグ」「複合型(ダブルスリー、トリプルスリー)」⇒X波

リアクション波とは、トレンド(一回り大きな波の方向)とは逆方向に動ている波のことです。こちらには例外はなく、すべて修正モードの3波動で動きます。

アクション的な修正波(Actionary Corrective Waves)

アクション的な修正波

アクション的な修正波

  • (推進波)「エンディングダイアゴナル」⇒第1波、第3波、第5波
  • (修正波)「フラット」⇒A波
  • (修正波)「トライアングル」⇒A波、C波、E波
  • (修正波)「ダブルジグザグ」「複合型(ダブルスリー)」⇒W波、Y波
  • (修正波)「トリプルジグザグ」「複合型(トリプルスリー)」⇒Z波

アクション的(トレンドを推し進めている)にもかかわらず、3波動で動いている波です。外見上はトレンドを推し進めているのですが、中身は修正モードなのです。

参考:波の働き|5つの波のパターン、「波のモード」

トライアングル

私見ですが、トライアングル修正波だけは特殊かなと思っています。

5波動で動ているにもかかわらずトレンドを推進していない波というのが、トライアングルしかないからです。根本的にずれているとでもいいましょうか。5波動であれば少しでも前進すべきなのですが、それをしていません。

ジグザグは「5-3-5」、フラットは「3-3-5」、この流れで行くとトライアングルは「3-3-3」であれば納得なのですが、「3-3-3(-3-3)」・・・。最後の(-3-3)が余計なのです。これが付け足されることで5波動の波になってしまうのです。

まとめ

「オーソドックスな天井と底」同様、冷静に考えれば特段難しい内容ではありません。ここで迷いが生じているとしたら、波動原理をまだ理解していないということになるのではないでしょうか。私もここまで辿り着くのにどれだけ時間を費やしたことか。しかし未だに、理路整然と即答できるような状態には達していません。自分のものにするためには、読んだり考えたりの反復作業が必要なのだろうと感じている今日この頃です。

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