概要
チャネルラインとは?
チャンネル
チャンネルまたはチャネル(channel)。元来の意味は、水路、海峡など。
引用元:チャンネル|ウィキペディア
元々は「水路」という意味だったらしいですが、確かにそのように見えます。
チャネルライン(ちゃねるらいん)
トレンドラインと並行して描くラインのこと。
上昇トレンドのチャネルラインは、トレンドラインと平行したラインを高値に合わせて引きます。下落トレンドのチャネルラインは、トレンドラインと平行したラインを安値に合わせて引きます。トレンドラインとチャネルラインの間を「チャネル」「トレンドチャネル」と呼び、期間が長いほどそのトレンドが強いといわれます。相場はチャネルの中で動くことが多いため、売買のタイミングを図るのに利用されます。引用元:金融・証券用語解説|大和証券
上下の2本セットでチャネルラインだと思っていたのですが、TL(トレンドライン)と並行して描くラインのことだそうです。1本がTL、1本がチャネルラインということになるでしょうか。この書籍(「エリオット波動入門」)では、「チャネルの下側ライン」、「上側のチャネルライン」などと言ってますから、2本ともチャネルラインとして扱っているようです。
※ひとつお断りなのですが、この波動原理で言うところのチャネルラインは、一般的なチャネルラインとは少し違うような気がします。どちらが正しいとかではなく、引く目的が違うのだと思います。
書籍での説明文は僅かに1ページちょいほどで、チャネルラインという言葉は一回しか出てきません。チャネルラインというよりは、むしろ「チャネリング」なのです。あくまでも衝撃波を分析するための、一種のテクニカルという位置づけなのだと思います。
主に平行なトレンドのチャネルを引くと、
しばしばかなり正確に衝撃波の上側と下側のラインを引くことができる。
言い換えれば、衝撃波はチャネルラインの間に収まるということになると思います。逆に、収まらなければ、ラインの引き方が間違っているか、衝撃波ではないということになります。一番重要なのは、2本のラインは「平行」であるということです。
目標値の予測
チャネルラインを引く目的のひとつは、「目標値の予測」です。前提として、第1波の終点、第2波の終点、第3波の終点の3点が必要なので、予測の対象になるのは、第4波と第5波の2つのみです。一番大きく動くといわれている所謂第3波は、チャネルラインでは狙うことはできないということになります(あくまでもこのチャプターでは)。
また、今現在の波がどの位置にあるのかを把握するために、既に完成している衝撃波の分析にも使うかもしれません。その際に、波のカウンティング、オルターネーションの分析などに相当役立つはずです。
チャネルラインの考え方
上図は、いくつかのチャートにチャネルラインを引いてみて、こういうことではないかと私が勝手にイメージしたものです。
まず何事もなければ、衝撃波は上下のチャネルラインの間に綺麗に収まります。5つの接点もすべてパーフェクトに接着しているはずです。ここを疑われてしまうとどうしようもないのですが、衝撃波というのはそういうものなのです。本来の姿というのは、もちろんフィボナッチ数列、フィボナッチ比率に支配されています。
ところが、最初から始点がずれている衝撃波もあります。波が進行していく道中では色々な横やりが入り、特に第1波や第2波の段階では、まだトレンドが定まっていないことのほうが多いのでしょう。そして徐々に進行していくうちに、トレンドが定まっていくというか、本来の道を辿り始めます。最初は見切り発車でスタートしてしまった波なのです。チャネルラインを引いても第1波や第2波がずれてしまうのは、このような理屈なのだと思います。
また、出だしは正しかったのに、第3波などでイレギュラーな事象が起こることがあります。ファンダメンタルや仕掛人の存在などによるでしょうか。そのイレギュラーな事象というのは第3波限定のものですから、その第3波を基点とするラインで第5波を予測するのはおかしいわけです。
今はこのようなことを考えてチャネルラインを引いています。あくまでも私のやり方です。
一応上図のような見方をしています。角度も気にしたほうが良いのかなとは、なんとなく思っています。
チャネルラインの引き方
基本形
- 必要なのは3つの基準点(第1波、第2波、第3波の各終点)。
- 第3波の終了時点で、1と3を結び、それと平行な線を2から引く。
- 下側のチャネルラインが、次の第4波の予想される下限となる。
ちなみにトライアングルの場合には、最低でも4点が必要でした。
参考:A波とC波、B波とD波の終点を線で結んだような形になる。|水平トライアングル(三角形)
チャネルラインと第2波
なんとなくの思い付きで上図を描いてみました。まずチャネルラインありきで、そのあとに波を考えてみました。通常とは逆になるでしょうか。というのも、チャネルラインが綺麗に引ける場合とそうでない場合があり、その違いはなんなのか、そのあたりがもやもやしているからです。
前提として、第2波にある程度の長さがないと、ライン間が狭くなってしまいます。この狭い範囲に収まれというのは、衝撃波にとってはかなり厳しい条件になるでしょう。基点をずらすなどの対処が必要になってきます。
次に角度の問題です。角度が緩すぎると上へのスペースがなくりますし、急すぎると横へのスペースがなくなります。結局は基点をずらすという対処が必要になってきます。
どちらにしても、基点をずらすという対処が必要になってくる、というのが私の今の結論です。
第2波にある程度(衝撃波が収まりきれるくらい)の長さがあって、角度が両極端でなければ、機能するようなチャネルラインは引けると思います。
第3波がかなり延長する場合
多くの場合、当初の始点は、最終的なチャネルの基点ではなくなる。
言っていることが今ひとつわかりません。「当初の始点が基点ではなくなる」、という文言です。以下で第3波が異常に強い場合のことが書いてあるのですが、それと同じように考えるしかないと思うのですが・・・。とりあえず同じと考えて先に進みます。
第4波がチャネルのラインに届かない地点で終了する場合
- 第5波の上限を予測するために、新たにチャネルを引き直す。
- 第2波と第4波の終点を結ぶ。
- 第3波の終点から延長した上側のラインが、次の第5波の予想される上限となる確率は非常に高い。
以上の説明は、第1波と第3波が「通常の波」の場合です。「ベース線」という言葉を使っており、それを真似して使わせていただくと、「2-4のベース線」がとても大切だと思いました。
ラインの引き直しということで、最初は「ラインの修正」みたく考えていたのですが、上述したとおり、修正というよりもむしろ、本来のラインに戻す作業というほうが私はしっくりきます。そもそもの出だしが間違っていた波、という解釈です。
第3波がほぼ垂直に伸びるなど異常に強い場合
- かなり急こう配になる
- 第1波の頂点を通るベース線によるチャネルはかなり有効である。
恐らく上図のようなことを言っているのだと思うのですが。
トレンドのバイアスの強弱は逐一変化すると思うので、まずは最新の2-4のベース線を固定しておくのがベストかなと思います。その上で、上側のラインの基点をどこに持っていくかですが、候補としては「第1波の終点」か「第3波の終点」、この2つがあります。通常の波であれば、最新の第3波が適切でしょう。
しかし第3波が異常に強い場合には、ほぼ直角に近い角度になります。そもそもその強すぎる第3波のバイアスが、第5波まで持続するのかって話です。延長とは違うのかもしれませんが、延長波はひとつの衝撃波でしか起きませんから、仮にそれと同じように考えると、強すぎる衝撃波が2つも現れるのかって話なのです。
仮に強すぎる衝撃波は1回しか出現しないとすれば、第3波を基点としていたラインは意味がないものになってしまいます。第5波はいくら頑張っても、もうそこまでは届きませんから。
結果的には元々の基点であった第1波が復活するわけで(正しい基点だったから)、元の鞘に収まったということになります。以上は私の勝手な解釈です。
ふと気になって弱気相場の場合のものも描いてみました。やはり2-4のベース線が重要です。それが引けたら、あとは第1波か第3波、どちらかを基点にするかだけです。どちらが本来の基点なのか、そういう目で見ておきたいです。
チャート例
上で学習したことが、恐ろしいくらいぴたりと当てはまっています。
予測ではなくあくまでも後付けの理屈ですが、2本のチャネルラインに4点が接していれば、それが衝撃波である確率はかなり高くなるはずです。衝撃波っぽい波を見つけたら真っ先に、「2-4のベース線」、「1-5のベース線」若しくは「3-5のベース線」を探す作業から始めるのです。
どうして衝撃波のチャプターで真っ先にこのチャネルラインのことを載せてくれなかったのか、載せておいてくれれば理解する時間もかなり短縮されたのにと愚痴りたくもなります。チャネルラインはそれほど強烈なガイドラインなのですが、逆に、知らずに衝撃波のことを学習したおかげで、チャネルラインの有難味を強く感じています。
私なりの覚え方は以下です。
- 2-4ベース線を固定する。
- 第3波の強さ(角度など)を判定する。
- それによって、基点(第1波か第3波の終点)を決める。
- 第5波の終点を予想する。
潜在的な2本のTL(トレンドライン)を引く
そのチャネル内の波の「カウント」と「出来高」の特徴に注目し、波のカウントによって正当化される適切な行動をとることも有効である。
上述しましたが、予測だけではなく、現在地を知るための後付けの分析にも有効ということではないでしょうか。ラインを引くだけでなく、そこに出来高のチェックを加えることで、理論上は鬼に金棒的な分析をすることができます。
参考:出来高(延長の予測ツール)
すべての波の段階のトレンドが、ほぼ同時に出現する
ことを忘れてはならない。
- 「プライマリー第5波」&「インターミーディエット第5波」:この2つの段階の上側ラインに同時に達したときに終了する。
- 「スーパーサイクル」&「サイクル」:スーパーサイクル段階の上放れは、サイクル段階の上側ラインに達したときとほぼ同時に終了する。
「マルチタイムフレーム分析」の重要性を説いていると思います。
参考:9つの波の段階
- グランドスーパーサイクル:○Ⅰ、○a
- スーパーサイクル:(Ⅰ)、(a)
- サイクル:Ⅰ、a
- プライマリー:①、○A
- インターミィーディエット:(1)、(A)
- マイナー:1、A
- ミニュット:○ⅰ、○a
- ミニュエット:(ⅰ)、(a)
- サブミニュエット:ⅰ、a【最小単位:時間足】
最近チャートを見ていて思うのが、上図のような分析方法です。大きいチャネルラインの中に小さいチャネルライン、フラクタルをチャネルラインで分析するのです。
チャネルラインの種類
次の学習項目は「上放れ、下放れ」なのですが、そこを学習していて少し混乱してしまいました。チャネルラインの種類ということで上図を描いたのですが、これが正しいのかどうかはわかりません。機械的に覚えるのは無理なので、今回のガイドラインと次回のガイドラインに書いてあることを、その都度思い出しながら対処することにします。
参考:上放れ、下放れ
レンジ相場のチャネルライン
上述しましたが、今回の学習項目のチャネルラインは、世間一般で言うところのチャネルラインとは少々意味合いが違うのかもしれません。ネットで見ると、レンジ相場を例に挙げて適用させていることが多いように思のですが、波動原理のチャネルラインは、衝撃波の分析のためのツールであって、恐らく修正波(ダブルスリー、トリプルスリー)であろうレンジ相場にチャネルラインを引くという発想はないと思います。
波動原理でラインを使う場面は、今回のチャネルライン、ダイアゴナル、トライアングル、この3つだけだと認識しています。
ただチャート上では、レンジ相場でもチャネルラインが効いているように見える場面もあるのは事実です。少し想定してみたのですが、波動原理でレンジっぽい場面でチャネルラインが引けるとしたら、上図のようなダイアゴナルなのかなと思いました。
ダイアゴナルには延長はありませんから、予測として使える場面としては上下1つずつ、2ヶ所ありますが、せいぜいその2ヶ所だけですよね。賞味期限は短いわけです。プライスアクションなどを勉強すれば、今回の波動原理のチャネルラインとは違う持っていき方があるのかもしれません。
※上図を描いてから気付いたのですが、ダイアゴナルはそもそも衝撃波ではありませんから間違ってますね。楔形なので平行なラインは引けませんし。しかし上図のような、チャネルラインが引けそうなダイアゴナルもあると思います。そのような場面ということでご了承お願いいたします。
参考:チャネルラインのパターン
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